2007年03月31日

対談:なぜ新たなブログを立ち上げたのか?その3

koppe:
ところで、失敗したプロジェクトの原因を聞くと、誰もが見積もりミスと要件定義の甘さを挙げますが、それが分かっていながらまた失敗を繰り返してしまう。なぜなんでしょう?
mokuren:
今の表現を借りると、ミス・甘さ、という言葉に問題があるんじゃないでしょうか?
koppe:
というと?
mokuren:
そもそも、ミスしているんでしょうか? 甘いんでしょうか?
ミスするということは、ミスしない方法が予め分かっている場合に初めて言えることですよね。それもわかっていないなかで、簡単にミスや甘さで片付けられる問題ではないように思えます。
koppe:
そうですね。
われわれが実際に関わったプロジェクトでも、プロジェクトの開始後に当初の見積もりよりも大幅に作業が増えたことがありました。。
しかし、受注前に提示した見積もりに関しては次のことが言えます。構築側は(以降ベンダ)は構築依頼側(以降ユーザ)の予算と競合価格を考慮し、ユーザから提示された要求情報に基づいて、それを最大限満たせるシステムを想定して見積もりを出している。
これは、ミスしたわけではないですよね?
mokuren:
そうですね。
koppe:
でも、受注後に詳細な打ち合わせを行ったらずれた。
ベンダの立場から、結果として妥当な見積もりが出せなかった理由を考えてみると、要求の情報が不足していること、ユーザ予算(すなわち価値観)が実際に必要なシステム構築費用に比べて低いといえると思います。
そうなってしまうのはなぜでしょうか?
mokuren:
受注後に要求定義や要件定義を行っていくと、見積もり想定外の要求が膨らんでくるのですね。
でも、それはベンダ側の視点であって、ユーザ側にしてみれば、当初からの想定内であって、別に膨らんでいるわけではないのですね。
どちらも、主観で判断しているから、どちらも正しいという世界に落ち込んでしまう。
koppe:
その主観での「想定内」の範囲のギャップが、見積もりがずれて後でもめる原因のひとつなんですね。
mokuren:
そうですね。
問題は、先ほど述べた「主観」という言葉です。
「主観」が問題なのであれば、「客観」にすればいいのですが、それに対するよい方法が未だに存在していないのが実情ではないでしょうか?
まず、費用に関してですが、ユーザから見ると予算内に収めないと想定される効果よりコストのほうが上回ってしまうので、提示できる目いっぱいの費用を提示しているということになります。
また、要求の内容に関していえば、ユーザ側から見ると、自らはITに関しては素人であるのだから、素人の範囲でできるだけITを前提とした要求を提示した、これ以上どうしろというんだ?という思いになっている。
逆に、ベンダ側から見ると、自らは顧客の業務に対しては素人だから、素人の範囲で顧客の業務を前提として要求を理解して見積もった、これ以上どうしろというんだ?という思いになっている。
どうも、相手の立場になって自らができる範囲を目一杯考えるという文化?が問題のような気がします。
koppe:
投資対効果の話がでましたが、IT構築のコストは、確かに単なる積み上げではなく、期待効果から算出されるべきものですね。それが実際にIT構築にかかる費用より少ないということは、CRMシステムは期待効果に比して難易度が高いということでしょうか?
mokuren:
結果的には、そのようなケースが多いと思います。
この期待効果そのものが仮説であり主観なんですね。
これにどのように客観性をもたせるかは、非常に難しい問題だと思います。
で、結局のところ期待効果に関してはユーザ側の主観をそのまま受け入れるしかない。
koppe:
確かに、CRMシステムは人件費がこれだけ減るとか、売上がこれだけ伸びるとかという具体的な効果を挙げるのが難しいので、基幹システムなどに比べると多額の予算をとることは難しいですよね。
それを元にしたユーザ側の主観としての期待効果に見合うコスト、それに抑えることがCRMシステム構築の大前提となるわけですね。でなければIT化をする意味そのものがなくなってしまう。
mokuren:
そうですね。
posted by koppe at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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