2007年08月25日

パターンを洗い出すには

 要件定義では、通常、モレなく検討するためにパターンの洗い出しが必要になる。このパターンの洗い出しをちゃんと行うにはどうすればよいのだろうか。

 よくあるパターンの洗い出しは、考えられるパターンをただ列記したものが多い。この方法では、すべてのパターンが洗い出されていてモレがないということを示すことができない。つまり、一生懸命考えた洗い出しも、思いつくものを適当にピックアップしただけの洗い出しも、列記されたものだけを見るとその区別がつかないのである。
 では、列記されたものにモレがないということを、どう検証し、どう示せばよいのか?

 列記されたものは、それだけでは単なる点データの集合体になっている。点のままではモレが無いということは示せないので、それらをMECEを使って面にする必要がある。

 MECEを使って面にするには、まずそのデータを埋める表を作る。
表の縦軸、横軸は、ほとんどの場合最初から全部埋まることはない。しかし1軸は簡単に決められることが多い。そこでまず、1軸に分類を書き込み、空白の枠が2つだけの表をつくって、その表に列記されたものを仕分けしていく。表の分類はそれだけでモレがないということが明らかなものでなければならない。たとえば「社内」と「社外」、「新規」と「既存」、「利用前」と「利用中」と「利用後」というように。

 仕分けが終わったら、仕分けたデータを眺めて、枠内にあるデータの共通点に着目して、もうひとつの分類軸を見つける。共通点を見つけるには、このようにデータを近くに集めると考えやすい。

 余談になるが、ナンクロというパズルをご存知だろうか?ナンクロは同じ番号の白マスには同じ文字が入る、というルールだけをヒントにその番号の文字を決めていくパズルである。これを解くときによくやるのが、解決したい文字の部分を取り出して集めて試行錯誤しながらその文字を見つけるという方法である。たとえば「山○」、「○草」、「○外」をメモ用紙に書き出し、○に入る文字を探すと、「野」という文字が見つかる。同じことをそれぞれのマスがパズル面のあちこちに分散したままやろうとするとなかなか見つからない。
 このように、共通点を見つける作業は、共通点を見つけたい対象を物理的に近くに集めると見つけやすいのである。

 共通点を見つけてそれを分類軸にし、その分類軸にあわせてデータを仕分けする。データがうまく仕分けできなければ、分類軸を見直す。

 データを仕分けし終わったら、分類軸にあわせてデータを見直す。
・埋まっていない枠があるなら、そこに入るべきデータを見つけ出して埋める。
・枠に入っているデータがダブっていれば、1つに出来ないかを考える。
・枠に入っているデータの文言が、枠の意味づけにあっていなければデータの文言を見直す。
・それでもうまくいかない場合は、分類軸を見直す、または、新たな分類軸を見つける作業に戻る。

 また、分類軸の分類そのものが多数になり、見ただけで分類にモレがないことが分からない場合は、分類自体をMECEで分類する必要がある。

 こうして、分類軸と各枠に入るデータがすっきりと収まると、MECEの表は完成する。

 この表の縦、横の分類は2つまたは3つなので、見ただけで分類にはモレがないことが分かる。モレの無い分類で分類された表に、モレなく埋まっているデータはモレがないので、これでモレなくデータがピックアップされたことが示せるのである。

 もうひとつ、パターンの洗い出しの際によく陥る罠は、最初に思いつくものをあげることをせずに、いきなりMECEの表を作ろうとすることである。この方法では共通点を見つけ出すべきデータがないので、適切な分類軸を決めることができない。

 つまり、モレのないパターンの洗い出しは以下のステップで行い、モレがないということを示すためには完成した表を提示する必要があるのである。
 @思いつくものを列記する。
 A列記したものが枠内に収まる表をつくる。
 B表の枠内を表の軸にあわせて見直す。
posted by koppe at 23:33| Comment(1) | TrackBack(0) | 要件定義の現場から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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